ドラマ「ポーズ」で人気に。エキゾチックな魅力を放つインディア・ムーア。
Photo: Vivien Killilea/Getty Images for Billboard
インディア・ムーアはハイチとプエルトリコの血を引く、エキゾチックなルックスが魅惑的な24歳。モデルとしてキャリアをスタートするが、インディアを有名にしたのは稀代のヒットメーカー、ライアン・マーフィーが手がける80年代のNYを舞台にしたドラマ「POSE/ポーズ」だ。「ボール・カルチャー」を通して当時のLGBTQコミュニティを映し出す同作で、インディアはエンジェルという名の娼婦役で出演し、抜群のスタイルと美貌、そして繊細な演技で多くの視聴者を魅了している。
2019年には『TIME』誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選出されているインディアはノンバイナリーのため、自身のジェンダーを表す代名詞を「she」や「he」ではなく、「they」か「them」を使用することを希望している。「トランスかつ有色人種であるため、今のような場所に立てると思わなかった」と『ハリウッド・レポーター』に語っており、ドラマ「POSE/ポーズ」が自身の人生も可能性も大きく開いてくれたという。
「POSE/ポーズ」シーズン1はNetflixにて配信中。Photo: JoJo Whilde /(c)FX/Everett Collection/amanaimages
インディア演じるエンジェルは、「ハウス・オブ・エヴァンジェリスタ」のメンバーとしてボールルームを盛り上げる。Photo: Michael Parmelee/(c)FX/Everett Collection/amanaimages
ちなみにもしリメイク作品に出演できるのなら、『マトリックス』か『スター・ウォーズ』シリーズに出演したいそうだ。今後はNetflixのファミリームービー『A Babysitter’s Guide to Monster Hunting(原題)』の配信が控えているが、今作で演じるのはインディアにとって初めて娼婦や風俗関係ではない役。セクシーを封印したインディアの、新たな魅力が楽しめそうな一作にも注目したい。
ドラマ「ユーフォリア」での初演技が大絶賛のハンター・シェイファー。
「ユーフォリア/EUPHORIA」は、スターチャンネルとAmazon Prime VideoのスターチャンネルEXで配信中。Photo: (c)HBO/Everett Collection/amanaimages
セックス、ドラッグ、バイオレンスに浸食され、SNS中心の生活に疲弊しながら、そこで必死に自分とは何かを探そうともがき苦しむティーンエイジャーのリアルを描き、大きな話題を集めたゼンデイヤ主演のドラマ「ユーフォリア/EUPHORIA」。全8話からなるドラマは評価も人気も高く、すでにシーズ2の製作も決定している。
今作で主人公ゼンデイヤ演じるルー・ベネットの親友ジュールズ・ヴォーンを演じているのが、20歳のハンター・シェイファーだ。ドラマ内でも本人と同じく、美しいトランスジェンダーの女の子ジュールズ役を演じているハンターだけど、母親に存在を否定されるジュールズと違い、ハンターは13歳のときに両親にゲイであることをカミングアウトし、それを大きな愛で受け入れられている。
2016年には地元のノースカロライナ州でトランスジェンダーを差別する「公共施設のプライバシーと安全法(公共のトイレや更衣室は、出生時と同じ性別を利用しなくてはいけなない)」、通称“トイレ法”に反対し、父とともに原告の一人として猛抗議。その後、トイレ法は撤回されるに至っている。
Photo: Daniele Venturelli/WireImage
彗星のごとく現れたように見えるハンターだけど、実は178センチの長身を活かし、モデルとしてキャリアをスタート。ディオール(DIOR)やミュウミュウ(MIU MIU)ほか多数のハイメゾンのランウェイモデルとして活躍していた。もし役者になっていなかったら、デザイナーの道を志していたというほどのファッション好きでもある。『ハリウッド・レポーター』によると、目指す役者はティルダ・スウィントン。今後のキャリアが楽しみだ。
トレイス・リセット、『ハスラーズ』にも出演のタフなアクティビスト。
Photo: Paul Archuleta/WireImage
32歳のトレイス・リセットの大ブレイクは、2014年からシーズン5まで続いたAmazonオリジナルシリーズのドラマ「トランスペアレント」がきっかけだった。LAに住むフェアファーマン家の父モートン(改名後モーラ)が、子どもたちも大人に成長し、自身も70歳になったことで、残りの人生は男性ではなく女性として生きたいとカミングアウトするところから物語がスタートする。
今作にヨガインストラクターのシア役で出演しているトレイスは、もともとモーラのトランスジェンダーのメンターであるダヴィーナ役でオーディションを受けたそうだが、役を得ることはできなかった。代りに得たのは、当初小さな端役だったヨガインストラクター役。だが、圧倒的な存在感を発揮し、シーズン2からは準レギュラーの座に昇格をしている。
「トランスペアレント」はAmazon Prime Videoにて配信中。シーズン5は約2時間のミュージカル映画となっている。Photo: Jennifer Clasen/(c)Amazon/Everett Collection/amanaimages
ところが、ドラマ人気は高かったものの、トレイスは2017年に主演のジェフリー・タンバーを、同僚の元アシスタントとともにセクハラで訴え、降板に追いこんでいる。これにより、ドラマは主演抜きで放送したシーズン5をもって終了している。
トレイスはこの出来事に屈することなく、2019年にはジェニファー・ロペスが主演の大ヒット映画『ハスラーズ』にもトレイシー役で出演している。トランスジェンダーという理由でいくつもの職をクビになったというトレイスは、「トランスペアレント」のシーズン1を撮影中も生活費を稼ぐためにNYでストリッパーとして働いたそうだ。『ハスラーズ』も、実際にストリッパー経験者が出演していることで、物語にリアリティが加わり、作品の向上につながったのは間違いないはずだ。
史上初トランスジェンダーのスーパーヒーローを演じるニコール・メインズ。
「SUPERGIRL/スーパーガール」シーズン4・5はデジタル配信中。Photo: Diyah Pera/(c)The CW/Everett Collection/amanaimages
カーラ・ダンヴァースがスーパーガール役で主演するドラマ「SUPERGIRL/スーパーガール」に、テレビ史上初のトランスジェンダーのスーパーヒーローとして、ニア・ナル(別名ドリーマー)役を演じている22歳のニコール・メインズ。シーズン4から新キャラとして登場している彼女は、予知夢を武器に差別やいじめから人々を救済することをミッションとしているヒーローだ。
ニコールはワイアットという名で、1997年に一卵性双生児のジョナス・メインとともにこの世に誕生し、3歳のときにすでに自分がトランスジェンダーだと認識していたという。「ワシントン・ポスト」紙によると、ニコールは2歳のときに母親に「ぼくはいつ女の子になるの?」と聞いたというのだから、実はそれ以前に自分は女の子であると分かっていたのだろう。
Photo: Phillip Chin/Getty Images
小学校時代には学校側から女子トイレの使用を禁じられ、ニコール一家は学校を提訴したり(後に一家が勝訴)、ワイアットからニコールに改名するための法的手続きなどで苦労をしたりしているが、すべて家族の愛あふれるサポートを経て困難を乗り越えている。そして2015年にはそんな一家とニコールの物語を、ピューリッツァー賞作家のエイミー・エリス・ナットが一冊の本『Becoming Nicole: The Transformation of an American Family(原題)』として出版。「ニューヨーク・タイムズ」紙のベストセラーとなった。
ニコールは高校の卒業と同時に性転換手術を受ける。双子の兄弟とともにメイン大学に入学したが、役者業に専念するために退学。現在は俳優業をまい進している。ちなみにニコールの名前は、彼女が好きだったTVドラマ「ゾーイ101」の登場人物ニコール・ブリストウに由来しているそうだ。
子役時代から活躍してきたジョージー・トタ。
JJ・トタとしてドラマ「glee/グリー」のシーズン6に出演。Photo: Adam Rose/(c)Fox/Everett Collection/amanaimages
ディズニー・チャンネルのドラマ「ジェシー!」の子役としてTVデビューし、「glee/グリー」などの人気ドラマに出演してきたJJ.トタは、常にゲイの男の子として見られていたが、自身は常に自分を女性だと思って生きてきたという。そして、ついに「彼女(she、 her)」と呼ばれることを選択する。
2018年にJJ・トタからジョージー・トタに改名し、自身がトランスジェンダーであることを『タイム』誌のエッセイでカミングアウトした。カミングアウトしたことで18歳の彼女は「世間の多くの人が私の生活が突然大きく変化し、『私変わったでしょう!』って思っているみたいだけど、それは全く違うの。唯一変わったのは、自宅以外でも本当の自分でいられるようになったこと」だとテレビ番組「TODAY」で語っている。
Photo: Presley Ann/FilmMagic
数々のドラマに出演しているジョージーだが、日本ではNetflixで配信中のシットコム「ニックのいたずら」で姿を観ることができる。ある日突然、平和な生活を送る一家の前に、遠い親戚で孤児だという13歳の女の子ニック(シエナ・アグドン)が現れ、養子として彼女と一緒に暮らすことになったが……。
一家の父親役で出演している『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズや「ストレンジャー・シングス」のショーン・アスティンのコミカルなキャラクターを観るだけでも一見の価値があるが、肝心のジョージーは主人公一家の子どもたちと同じ学校に通う、副会長のリサ・ハダとして2シーズンにわたって登場している。
「ニックのいたずら」シーズン1~2はNetflixにて配信中。
トランスの俳優たちはトランスの役や売春婦絡みの役を演じることが多いが、弱冠18歳ながら出演作が続くジョージーは学生など性別とは全く関係のない役を得ることに成功をしている。子役として活躍してきた彼女のような存在が、若い世代への大きな励みと自信につながることは間違いないだろう。
Text: Rieko Shibazaki
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May 01, 2020 at 06:00PM
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