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有名人や知人のSNSがマスメディアに匹敵するパワーを持つ?世代ごとのメディア利用トレンド - Media Innovation

本記事は株式会社電通が提供している、広告業界の最新動向やトピックス、コミュニケーション領域に関連する電通グループの先進の知見やサービス、ソリューションなどを紹介するニュースサイト「ウェブ電通報」からの転載記事です。

電通メディアイノベーションラボは、『情報メディア白書2020』(ダイヤモンド社刊)を2月に刊行しました。

令和時代にいっそうの進化が想定されるメディアの立ち位置と役割を考察すべく、今年は以下の2部構成で巻頭特集を組みました。

■特集:令和「新」時代のメディアの役割とオーディエンス
・Part1 メディア利用の6つの「兆し」から読み解くメディアの「現在地」
・Part2 変貌するオーディエンス:若年世代の共有意識が形作るメディア社会の未来

いずれもメディアに人々がどのように向き合っているのかを各種調査結果から俯瞰的に捉えた内容です。

本連載では、この巻頭特集のエッセンスを、データや図表とともにご紹介します。第1回は、ややマクロな生活者目線で、人々のメディア利用トレンドを整理したいと思います。

年代ごとにメディアの利用頻度を可視化。利用メディアの二大トレンドとは

電通メディアイノベーションラボでは、74のメディア分野の利用状況に関する調査を10代から60代を対象に行いました。

対象となるメディア分野は、
「テレビ・ラジオ」
「新聞・雑誌」
「ネット・デジタル」
「SNS・ブログ」
「動画・音声配信」
の5カテゴリーです。

今回は各メディア分野の利用頻度を可視化した図表をご紹介します。10代から60代の各年代で興味深いメディア利用傾向がありますが、ここではとりわけ特徴的な傾向を示す年代を見ていきます。

まず図表1は50代の利用頻度を表したものです。各メディア分野をグループとしてまとめた上で、よく利用されるメディア分野群のまとまりほど、図の左上に位置するようにプロットしました。

50代は「テレビ・ラジオ」の利用が最も多く、その内訳を見ると、民放とNHKが大部分を占めています。次いでポータルやニュースサイト等から構成される「ネット・デジタル」「新聞・雑誌」が続きます。

60代もほぼ同じ傾向ですが、「テレビ・ラジオ」の比重が50代よりさらに大きく、さまざまなメディアに接する機会はあるものの、従来型メディアの代表である「テレビ・ラジオ」がメディアライフの中核を占めている様子です。50代、60代は伝統的なメディア接触スタイルを維持している年齢層と捉えることができそうです。

しかし20代~40代では、メディア利用1位の座は「テレビ・ラジオ」ではなく「ネット・デジタル」です。「テレビ・ラジオ」もよく利用されますが、「ネット・デジタル」には及びません。図表2は代表的な20代の利用パターンを示しています。

図表1と図表2は、日本の生活者が普段よく利用するメディアには大きく二つのトレンドがあることを示しています。20代~40代はポータルやニュースサイトなどで構成されるネット・デジタルを、50代以上は放送メディアに最もよく接しているのです。

10代のみ「SNS・ブログ」が利用メディアの1位に

ここで、これまで触れなかった10代に注目すると、この二つのトレンドとは異なる傾向が浮き彫りになります(図表3)。10代に限っては、「SNS・ブログ」というメディア・カテゴリーが1位を占めているのです。

さらに「SNS・ブログ」の内訳を見ると、「友人・知人のSNS投稿やブログ」「有名人のSNS投稿やブログ」への依存が高いことが分かります。

NHKや民放ではなく、あるいはニュースサイトやポータル、ショッピングサイトでもなく、友人・知人、有名人のSNS投稿やブログへの関与が最も高い10代は、その上の年齢層とは異なる価値観、メディア観を持ち合わせていると見て差し支えないでしょう。この層に限っては、友人・知人や有名人のSNSがマスメディアに匹敵する影響力を有していると捉えることができます。

もちろん今の10代が成人となり社会的立場が変わったときに、そのメディア観が変化する可能性は十分にあるでしょう。いずれにせよ、どのメディアを情報源として頼りにし、実際に向き合うかについて、年齢に応じてこれほどの傾向の違いが見えるのは、個々人のメディア観の複雑さと現在のメディアが置かれた状況の多面性を示しています。

ネット動画サービスと10代の親和性の高さにも注目!

最後に、「動画・音声配信」について触れたいと思います。

先ほどの図表3で、赤色で示す「動画・音声配信」の面積が大きいことに気づかれた方も多いでしょう。10代は「動画・音声配信」の中でも「有名人(ユーチューバーなど)のチャンネル」への関与が非常に高いことも特徴です。

若年層とネット動画、特にユーチューブのような共有系動画サービスとの親和性の高さについては、さまざまな場面で語られますが、今回ご覧いただいた三つの図表からも、若い人ほどネット動画サービスへの関与度合が高い様子が見えてきました。

このトレンドについては別の回で改めて触れます。今後の連載にぜひご注目ください。

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June 06, 2020 at 07:31AM
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