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どうなる?サハリンプロジェクト プーチン大統領令の衝撃 - nhk.or.jp

このとき、エネルギーを所管する資源エネルギー庁は担当者が緊急召集され、対応を協議。議論の焦点となったのはサハリン1と2の構成メンバーの違いでした。

サハリン2は日本勢は民間企業だけの参加ですが、サハリン1は政府が深く関わっています。

G7各国がロシアへの制裁を強化するなかで、政府が関与するロシアのエネルギー事業を続けて大丈夫なのかという意見が沸き起こったとある政府関係者は語ります。

サハリン2については発電所の燃料であるLNGを生産していることもあり、当初からエネルギー安全保障上、撤退することはありえないという意見が大多数でした。

一方、サハリン1はエクソンモービルというアメリカ政府とのパイプもある石油メジャーの決断だけに重く受け止めるべきだとの意見も出たということです。ある企業関係者も「ロシア・ウクライナの戦時中という過去に経験のない出来事。やめるとなってもしかたがないと思っている」と、難しい胸中を明かしました。

サハリン1について、アメリカと日本とでは立場が違うという見方を示す企業関係者もいました。

この関係者は「エクソンモービルからするとサハリン1は数あるプロジェクトの1つ。国際政治情勢や企業の評判を考えて撤退を表明したに過ぎない。しかし、日本はサハリン1から原油の供給を受け、中東に依存しない場所に権益を持っているというのは非常に重い意味がある」と話していました。

別の関係者は仮に撤退という道をたどると参加企業は株式や権益を誰かに売らないといけないが、果たして売れるのかと疑問を投げかけます。そして二束三文でたたき売ることになれば企業価値を損ない、株主からの代表訴訟リスクにさらされ、それは企業としてとても耐えられるものではないと力説します。

この当時、政府内や企業のあいだで、議論が重ねられ、両方のプロジェクトともすぐに撤退を決めることにはにならない方向で落ち着きました。

しかし、突如、大統領令という形でサハリン2の無償譲渡を迫られ、政府内も関係する企業も情報収集に追われています。

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