【北京=大木聖馬、台北=鈴木隆弘】中国軍は4日、台湾を取り囲む6か所の海空域で、弾道ミサイルなどの発射を含む「重要軍事演習」を開始した。ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問への対抗措置で、台湾封鎖などを念頭に置いた異例の大規模演習となる。日本政府によると、中国の弾道ミサイル5発が初めて日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。演習は7日まで続く予定で、日本や台湾は警戒を強めている。
複数の中国メディアは4日正午、演習開始を一斉に伝えた。台湾国防部(国防省)は、中国軍が台湾の北部、東部、南部の海域へ弾道ミサイル11発を発射したと発表した。演習の中核となっている中国軍の「東部戦区」の報道官は、ロケット軍部隊が台湾東部沖に向けてミサイル発射訓練を行い、「すべて正確に目標に命中させた」と発表した。
防衛省によると、日本が確認したミサイル9発は4日午後2時56分頃から午後4時8分頃にかけて中国の内陸部と浙江省、福建省の計3か所から発射。浙江省からの1発と福建省からの4発が与那国島(沖縄県与那国町)南方の日本のEEZ内に落ちた。日本に最も近い落下地点は与那国島の北北西約80キロ・メートルのEEZ外だった。航空機や船舶への被害情報は確認されていない。福建省から発射された4発は台北周辺の上空を通過したとみられるという。
同戦区によると、演習には戦闘機や爆撃機など100機以上が出動し、駆逐艦や護衛艦10隻余りが周辺海域に展開した。陸軍部隊も長距離射撃訓練を行い、台湾海峡東部の指定海域に向けてロケット弾などを発射した。中国国防省報道官は「米台の結託へ強く威嚇するものだ」と主張した。
中国が2日に公表した6か所の演習区域は台北や高雄などの大都市に近く、本島沿岸部から約17~60キロ・メートルしか離れていない。重要港湾への主要航路を塞ぐような位置であることから、台湾メディアは「台湾封鎖の演習」だと伝えている。
台湾の
中国軍は演習期間中、台湾有事の際の米軍艦艇接近を想定した対艦ミサイルの発射訓練なども行う可能性がある。ナンシー・ペロシ米下院議長の2日の訪台を前に、中国軍の空母「遼寧」と「山東」が出港しており、軍の内情に詳しい関係筋は「台湾海峡の北と南に分かれて演習を行う可能性がある」と明らかにした。
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