無理心中決意し娘３人絞殺の母親に懲役２３年の判決、完全責任能力や殺意を認定…名古屋地裁 - 読売新聞オンライン

　愛知県一宮市の自宅で０～５歳の娘３人を絞殺したとして、殺人罪に問われた無職、遠矢姫華被告（２９）の裁判員裁判が１１日、名古屋地裁であった。吉田智宏裁判長は「最愛の母の手で突如、将来を絶たれた混乱や苦痛を思うと言葉にできない」と述べ、懲役２３年（求刑・懲役２５年）の判決を言い渡した。

　判決によると、遠矢被告は育児をする中で母親としての自信を失い、無理心中を決意。２０２２年２月１０日、自宅で長女の姫茉梨（ひまり）ちゃん（当時５歳）、次女の菜乃華（なのか）ちゃん（同３歳）、三女で生後９か月の咲桜（さくら）ちゃんの首をコードのような物で絞めて窒息死させた。

　弁護側は、遠矢被告が事件前に「死んだら楽になる」との声が聞こえたなどと供述していたことから、心神喪失状態だったとして無罪を主張していた。判決は、遠矢被告が事件時に抑うつ状態だったことは認めた一方、娘たちがなるべく苦しまないよう目的に沿った合理的な方法をとっていたなどとして、完全責任能力も殺意もあったと認定した。

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