愛知・高浜市役所で自分に灯油？かけ火つけたか容疑者の男ら負傷 [愛知県] - 朝日新聞デジタル

臼井昭仁国方萌乃前川浩之米田怜央川西めいこ2024年7月16日 16時30分（2024年7月16日 22時48分更新）

　16日午後3時ごろ、愛知県高浜市青木町4丁目の高浜市役所で、「液体をまいて刃物を振り回す男がいる」などと110番通報があった。市や消防によると、男は液体に火を付け、職員らが約20分後に消火器で消し止めたが、男が全身にやけど、職員3人が手や頭などにけがを負うなどした。県警碧南署は60代の男を建造物侵入容疑で現行犯逮捕し、その後、治療を理由に釈放した。署は男の回復を待って詳しい事情を聴く方針。

　捜査関係者によると、まいたのは灯油とみられる。

　市などによると、男とは約2年前から税に関する問題でやりとりし、この日は事前に「これから市役所に行く」と電話があったという。男は午後2時55分ごろに市役所1階の税務窓口を訪れると、「職員を出せ」などと叫びながら刃物を振り回し、ペットボトルに穴を開けて液体をまいた。その後、自分にもかけてライターで火をつけたという。

　市によると、男は16日午後2時55分ごろ、2リットルのペットボトル2本と500ミリリットルのペットボトル2本を袋などに入れて持参し、窓口を訪れた。液体をまいたため、職員が「落ち着いて下さい」などと伝えた。その後、自分に着火した。職員数人がさすまたなどで対応し、消火器で消し止めたという。署によると、男は持っていた刃物で自身の腹を刺す行為もしたという。

　市役所の2階にいた職員によると、午後3時ごろに「暴れている人がいるので避難を」というアナウンスがあり、全員が外へ避難したが混乱はなかった。この職員は「みんな、信じられないといった様子で、何が起きているのかわからなかった。現場が落ち着いた後に1階の様子を見たが、煙が充満していた」と説明した。また別の職員は「来庁者が騒ぐといった問題はあるが、こんなことは初めて。どうして起きたのか」と話した。

　近所の男性（66）は「こんな騒動が街でおこるなんて、ただただ驚いている」と話した。

　現場は名鉄三河高浜駅から南西に約400メートルの会社や住宅街が混在する地域。（臼井昭仁、国方萌乃、前川浩之、米田怜央、川西めいこ）

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